善玉菌、悪玉菌、日和見菌などなど、腸内細菌にまつわる言葉をよく聞くようになりました。
腸内細菌の数は100兆個〜1000兆個ともいわれています。
一方、皮膚にも1cm2あたり数10万個~数 100万個の細菌が棲みついているって知っていましたか?
皮膚に棲みついている美肌菌とは?
私が若い頃は”アクネ菌”がニキビの原因といわれていたので、菌=悪者というイメージしか持っていませんでした笑。
ところが表皮に共生する常在菌の中には美肌をもたらしてくれる菌が存在するのです。
その善玉菌「表皮ブドウ球菌」は、皮脂や汗の成分をエサとしてグリセリンなどをつくりだし、肌を保湿したり、外部からの刺激から肌を護ってくれたりしています。
菌が肌の潤いやバリア機能を強化してくれるのです。
その善玉菌は、「美肌菌」と名付けられ注目を集めています!
美肌菌の名付け親、東京女子医科大学皮膚科の出来尾格(できお・わたる)医師の臨床結果によると、被験者の美肌菌を増やしたところ、肌の水分量が平均で1.33倍も増えたそうです。
また、美肌菌には黄色ブドウ球菌(食中毒の原因菌として知られる)による皮膚の炎症を抑制する働きもあり、とても重要な役割を担ってくれています。
実際、美肌菌がたくさん肌に棲みついている人ほど肌トラブルが少ないそうです。
そして、自分自身の表皮ブドウ球菌を純粋培養しそれを自分の肌に戻すことによって皮膚を整え、アトピー性皮膚炎やにきびを改善させる研究も進んでいるそうです。
では、どうすれば美肌菌を増やすことができるのか。
美肌菌は皮脂や汗の成分が大好物なので、第一に洗いすぎないこと!のようです。
出来尾先生が推奨される洗顔方法のポイントは・・・
1. 洗顔料を使うのは1日1回だけにする
1日何度も洗顔料を使うことで美肌菌を減らし、復活しづらくしてしまいます。
2. 化粧落としのクレンジング剤は使用しない
合成界面活性剤が入ったクレンジング剤は使用せず、どうしても使うならオイルタイプがおススメ。
3. 洗顔料はシンプルな固形石鹸にし、きめ細かな泡で洗う
固形石鹸の方が、合成界面活性剤ほか、表示成分が圧倒的に少ないから。
4. お湯の温度は人肌よりぬるめにする
冷水は汚れが落ちにくく、熱すぎるお湯は皮脂をとり乾燥を招くので、34~35度くらいのぬるま湯がおすすめ。
5. 肌はこすらずひたひた洗いで
美肌菌のすみかである角質を削ってしまうので、ゴシゴシしてはダメ!
(洗顔料の成分例)
某洗顔フォーム:水,ステアリン酸,PEG-8,ミリスチン酸,水酸化K,グリセリン,ラウリン酸,エタノール,BG,ステアリン酸グリセリル(SE),ポリクオタニウム-7,PEG/PPG-14/7ジメチルエーテル,ヒアルロン酸Na,アセチルヒアルロン酸Na,セリシン,加水分解シルク,EDTA-2Na,ピロ亜硫酸Na,クエン酸,ソルビン酸K,安息香酸Na,香料mOrganicsの石けん:石ケン素地、水、グリセリン、コメ発酵液、キンマ葉エキス、ダマスクバラエキス、ゼラニウム油、ダマスクバラ花油、マニラエレミ樹脂油
合成成分の含まれていない洗顔料を選ぶこともとても大切です。
皮脂と美肌菌を洗い流しすぎないことが大切
朝シャワーや朝シャンは夜の間にせっかく整った肌環境を壊し(皮脂と皮膚の常在菌を洗い流してしまう)、皮膚を無防備な状態に戻してしまうともいわれています。
それは今、コロナ対策でさかんに行われているアルコール消毒も同じことです。
どこへ行っても殺菌剤がおいてありますが、それを使うことによって、一日の内に何度も何度も皮膚の常在菌を痛めつけ、抵抗力の弱い状態にしてしまっています。
もちろんアルコールを顔に使う人はいないと思うのですが、顔でなければいいというものでもありませんよね。
手も顔も身体も同じ皮膚です。
皮膚についたばい菌を殺して自分を護っているつもりが、肌バリアを壊してかえって病原菌が皮膚内部に入り込みやすい環境を作ってしまっている、ということも忘れてはいけないと思います。
腸内細菌にしろ皮膚の常在菌にしろ、私たちにとってなくてはならない存在です。
共生状態をいかに良好に保っていくか、を考える必要があると思っています。
石鹸の泡立て方をマスターしてふわふわの泡で洗顔すること、石鹸を使いすぎないこと、石鹸を自分の肌にあった濃さで使うようにすることがとても大切です。
加齢とともに、美肌菌のエサとなる皮脂の分泌が減っていきます。
洗顔で皮脂と美肌菌を洗い流しすぎないようにしてくださいね(^_-)-☆
(2018.9.14の記事をもとに加筆修正してアップしています)
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