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自然からの贈り物vs肌トラブルのもとになる合成成分

2020 8/21

エイジングケアの化粧品でお手入れしているのに、シワ、しみ、くすみ、乾燥やたるみが良くならない。
そんなあなたはお肌のバリア機能が働けない状態になっているのかもしれません。

目次

合成成分が含まれていると・・・

アンチエイジングを目的とした高級化粧品にも数多くの石油系合成成分が使われています。
合成成分は、肌バリアに隙間をつくり肌を委縮させます。
委縮した肌は皮脂や水分を保持することができず、肌が乾燥してしまうのです。

また、バリア機能が働かなくなった肌は紫外線や有害物質のダメージを受けやすいため、シミやくすみなど、むしろエイジングを促進してしまう恐れがあります。

そのようなことから、肌本来の機能を高め、潤いある美しい肌を持続するには、もともと自然界に存在している天然の成分のもの、できればオーガニックコスメを選ぶことをお勧めします

オーガニックコスメの原料に使われる植物には、肌のシミやくすみを予防したり、美白やハリをもたせるといった抗酸化成分がもともと含まれています。
単一成分を抽出し、合成した成分と違い、一つの植物の中に美容に役立つ成分を多く含んでいることがわかっているのです

化粧品を作るときの構成成分を目的別に分類すると、次のように分けられます。

①界面活性剤(洗浄成分及びクリーム類の乳化)
②防腐剤(化粧品の保存期間を高める)
③油剤(クリームや乳液などのベースとなるオイル成分
④色素(メイク用品などに色をつける)
⑤香料(化粧品の香りを整える)
⑥溶剤(植物エキスを抽出する際の液体)

一般的な化粧品では、このそれぞれに石油を原料とした合成成分が使われます。
化粧品には全成分表示が義務付けられていますが、その成分を見ても何がなんだかわからないものが多いですよね。
ただ言えることは、原料は石油だということ。

石油が化粧品の原料として使われ始めた70年ほど前から、急激に肌トラブルが増えています。
それ以前、何千年も自然界に存在している原料から作られた化粧品を使っていたときにはなかったことが起こっているのです。

①『界面活性剤』

界面活性剤は、洗浄成分として、または、水と油を混ぜ合わせる乳化剤としての働きを目的に配合されます。

シャンプー、洗顔フォーム、クレンジング、化粧水、乳液、ジェル、クリーム、ファンデーション・・・
界面活性剤は化粧品にとって欠かせないものですが、合成界面活性剤と天然の界面活性剤があります。

合成界面活性剤は主に石油を原料としていますが、動植物の油やアミノ酸、タンパク質などからも作られます。
いずれにしても、自然界にそのまま存在しているものではない合成界面活性剤は、肌のバリアを壊し、肌を薄くして乾燥肌を招きます。

よく「有効成分をお肌の奥まで浸透させ・・・」という謳い文句の化粧品がありますが、わざわざ肌のバリアを壊し、有効(有害)成分を肌内部に入れようというのですから、想像しただけで怖くなりますね。
肌本来の機能を高めることがスキンケアの目的であるはずなのに。

合成界面活性剤の種類は2000~3000もあり、なかにはお肌にやさしいイメージを持ちそうな「植物由来」の合成界面活性剤もあります。
しかし植物由来であっても、もともと自然界に存在している植物とは別物。
石油由来の合成界面活性剤と同様に複雑な化学合成を繰り返し、最終的には自然界には存在しない合成界面活性剤になっています(石けんと合成洗剤の違い参照)。
植物由来だ!、と安心して買ってしまわないように要注意です。

すべての合成界面活性剤の成分名を覚えるのは至難の業ですが、天然の界面活性剤、安心な成分を覚えておくといいですね(^_-)-☆

代表的な天然界面活性剤は石けんです。
成分表示に石けん素地や純石けん分等、石けんという表記が含まれます。
※ただし、『複合石けん』とは、合成界面活性剤と天然の界面活性剤、両方が含まれているという表示です。
石けんは洗浄成分としてだけでなく、クリームの乳化剤としても利用されています。

その他、天然の界面活性剤としては、レシチン(大豆)、ラノリン、イナゴマメエキス、サポニンを含むシャボン草やムクロジなどがあります。

石けんは、弱アルカリ性で洗浄力を発揮します。単純な構造をしたアルカリ塩なので流し残しが少々あったとしても、皮膚が弱酸性の状態であるために中和され、界面活性剤としての効果は失われます。
しかし合成界面活性剤はせっけんとは異なり、界面活性剤の効果が薄まりにくく、流し残しがあった場合は皮膚バリアを低下させる可能性があります(洗いすぎないスキンケア術参照)。

もともと自然界に存在していた植物原料の界面活性剤なら、環境にも負荷をかけません。
食べ物を選ぶのと同じように、化粧品の成分もチェックしてくださいね。

②『防腐剤』

化粧品は、開封後も常温で保存する場合が多く、雑菌やカビの繁殖を防いだり品質保持のため、多くの化粧品に防腐剤が配合されています。

合成防腐剤の「パラベンは身体に悪い」ということを聞いたことがあるのではないでしょうか?
パラベンは「旧表示指定成分」に該当し、アレルギー性の高い成分なので注意が必要です。
「メチルパラベン」のように「〇〇〇パラベン」という表記のものは全てパラベンの一種になります。

パラベンが旧表示指定成分であることから、自然派化粧品や無添加化粧品では『フェノキシエタノール』がよく使われます。
フェノキシエタノールは旧表示指定成分には該当しませんが、毒性はパラベンとほぼ同等です。

パラベンもフェノキシエタノールも化粧品の配合量は1%以下に規制されています。
他の保存料に比べ使用料が少なくなるので安全という意見もあります。
しかし、1回の使用料は少なくても、毎日使い続けているうちに身体に蓄積されると考えると、安全とは言い切れません。

オーガニックコスメの防腐剤は、腐敗菌を抑え、保存性を高める抗酸化力を持つ植物エキスが使われます。

天然の防腐剤として使われる主な成分は、
ローズマリーエキス、セージエキス、クマザサエキス、グレープフルーツ種子エキス、ヒノキチオール、レウコノストック、ダイコン根発酵液、天然醸造アルコール
などがあります。

これらの植物が持つ高い抗酸化力は、化粧品の防腐効果とともに肌の老化防止効果も期待できるので、一石二鳥の嬉しい成分です(^_-)-☆

オーガニックコスメと謳っているものでも、フェノキシエタノールが使われているものもありますので、ぜひ全成分をチェックしてみてくださいね。

③『油剤』

化粧品のベースとして油は欠かせないものですが、一般的な化粧品では石油がよく使われています。
石油から合成された油性成分は次のような成分名で表記されます。

・ミネラルオイル
・ベンジルアルコール
・安息香酸アルキル(C12-15)
・イソステアリン酸磯プロピル
・ジペンタエリトット脂肪酸エステル(2)

これらの鉱物油や合成油性成分は、皮膚呼吸を妨げ、肌のくすみや乾燥肌などトラブルの原因になるもの。
ミネラルオイルはミネラルたっぷりでお肌に良さそう・・・なんて誤解を招きそうですので気を付けて!

≫≫ミネラルオイルに関してはこちらも参照してください≫≫

オーガニックコスメでは、聞き覚えのある植物油が原料として使われます。

・オリーブ油
・ひまわり油
・ゴマ油
・ホホバ油
・アーモンド油 など

植物油は肌に油分を補ったり、UV効果を発揮して肌を護る作用があります。

④『色素』と⑤『香料』

華やかでカラフルなアイシャドウや口紅などのメイク用品を見るとウキウキしますが、そのほとんどは石油から作られた合成の色素が使われています。
私も過去には何も考えずにメイク用品を選んでいましたので、アイシャドーを塗っていたまぶたのアイホールの部分のくすみ、ほぼノーメイクで過ごしている今もなかなか消えません。
ヴィーガンコスメを使い始めてからずいぶん薄くはなりましたが、長年にわたって蓄積した色素沈着ですものね。
そう簡単には消えてくれません(;’∀’)

タール色素は色素沈着だけでなく、発がん性や奇形を引き起こす疑いもあるのです。
口紅などは、食事と一緒に体内に入ってしまいますから特に避けたいものです。
成分表に『赤色〇号』『青色〇号』というような色名+番号が記されているのを見たことがあると思います。
これらがタール色素の表記です。

オーガニックコスメで使われる色素には、
酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、グンジョウ、酸化クロム、カオリン
クチナシ、β-カロチン、ルチン、カカオ色素、シコン、紅花などがあります。

続いて香料です。
香料も石油から合成したもの、植物から芳香成分の一部を抽出したもの、天然の香料(エッセンシャルオイル)があります。
エッセンシャルオイルはアロマテラピーに使われるように、リラクゼーション効果、美肌や抗炎症などの良い効果が期待できます。

一方、石油から合成した香料は嗅覚を麻痺させる他、アトピーの原因やホルモンバランスの乱れを引き起こします。
香り成分は鼻腔から脳にダイレクトに入ることを考えると、かなり影響が及ぶことが想像できますよね。
ところが、香料は成分名まで表記する法的義務がないので、合成も天然もひっくるめて「香料」と書いても違法ではありません。
香害(香りによる公害)が社会問題にもなりつつある今、合成香料とわかるような表記を義務付けてほしいですね。

満員電車や人込み、エレベータの中や飲食店など、避けようがない場所での他人の合成香料の匂い、ホント何とかしてほしいです(ー_ー)!!

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⑥『溶剤』

植物エキスなどを抽出する際に使われるのが溶剤です。
オーガニックコスメでは、水や植物油、エタノールが溶剤として使われていますが、一般的な化粧品には石油由来の溶剤がよく使われます。

代表的な溶剤成分は、BGPG
BGは肌に負担が少ないと言われていますが、PGは浸透性が高く、皮膚の奥まで毒性成分を運んでしまうことがわかっています。

また、ノルマン-ヘキサンという合成溶剤は、行政機関に届け出が必要な有害性のある化学物質の一つです。
私たちが肌に直接つける化粧品に、有害性がわかっている物質が使われているなんてビックリですね。

まとめ

合成成分と天然成分の見極め方、いかがでしたでしょうか。

自然界にあるもの、たとえばひとつの植物から取られたエキスは、保湿や紫外線防止効果を発揮し、香料や防腐剤にもなったりします。
植物のもつちからは複合的であり、それは植物が自らを護るために作り出した自然界の神秘です
私たちはそのちからの恩恵をハーブティとして、食べ物として、アロマとしても受け取っています。
胃腸薬として有効な植物があり、鎮静作用や抗炎症作用が期待できる植物があり、・・・そして最後は自然に還り、また循環していきます。

反対に、石油から合成して作られたものは、自然界にとってはやっぱり異物です。
身体には自然界にない合成成分を分解したり、消化する酵素はもともと備わっていません。
石油合成成分が含まれている化粧品を使うということは、肌トラブルやアレルギーなどのリスクがあるということ。
しかも、使ってすぐに反応がでるものばかりでなく、長年にわたって蓄積していく怖さがあります。

私たち人間のエゴが作り出したものが、地球温暖化や水質汚染など、自然界に悪影響を及ぼしていることなどもトータルで考えたいですね。

自然界はそのままの状態で、私たちにすべてを与えてくれています。
なのにわざわざ複雑な工程を経て害となるものを作り、使うことにどういう意味があるのでしょうか?
考え直してみるべき時にきているのだと思っています。

(2018.12.16〜20の記事をもとに加筆修正してアップしています)

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